
「やりたい仕事が見つからない」「好きなことを仕事にしたいけど、好きなことがわからない」。そんな悩める就活生に向けて、自分の「好き」を見つける”スキサガシ”を応援するインタビュー企画!今回登場するのは、映画やドラマ、舞台と幅広く活躍する俳優・葵わかなさん。
2026年2月6日(金)からは、日本初演となるホラーサスペンス『2時22分 ゴーストストーリー』に、加藤シゲアキさん演じるサムの妻・ジェニー役で出演されます。小学生から芝居を始め、迷いながらも一歩ずつ歩んできた日々の中で、葵さんはどのように自分の「好き」を育て、仕事の面白さを見つけてきたのでしょうか。選択に迷うときにこそ大切にしたい「気持ちの切り替え方」や、「いまの自分と誠実に向き合う」方法について、たっぷり語っていただきました。
葵わかなの履歴書

経験を重ねたことで、新たな役の扉が少しずつ開いていった

——10歳の頃、原宿でスカウトされたことがきっかけで芸能界に入られたそうですね。当時から、役者という仕事に強い思いがあったのでしょうか?
葵:最初は「習い事の1つ」くらいの気持ちでレッスンに通っていました。小中学生の頃は学業が中心で、週末にオーディションへ行き、受かったら撮影に参加する……そんな日々を過ごしていたんです。本格的に「もっといろいろな作品に挑戦してみたい」と思うようになったのは、初めて映画に出演した14歳の頃でした。
『陽だまりの彼女』という作品で、上野樹里さん演じるヒロインの中学生時代を演じたのですが、撮影の難しさや、完成した作品をスクリーンで見たときの衝撃は、いまでも忘れられません。スクリーンに映った自分の演技は課題ばかりでしたが、「もっと上手くなりたい」と心から思ったんです。
——意欲が芽生える一方で、迷いや壁にぶつかる瞬間もありましたか?
葵:10代って、自分のことがまだよく分からない時期ですよね。そんな時期に“誰かを演じる”というのは、自分の内面と向き合う作業でもあり、「本当にこれでいいのかな?」と迷いを抱えながら進んでいました。
とはいえ、大人になったいまも「完璧に演じられた」と思ったことは一度もなくて。お芝居はずっと難しく、毎回「今回はあれが課題だったから、次はもっとこうしたい」と、トライアンドエラーを繰り返しています。

——着実に努力を続けてこられたことが、現在のご活躍に結びついているのですね。これまでのキャリアのなかで、ターニングポイントになったと感じる作品はありますか?
葵:実は、どこがターニングポイントだったのか、自分でもはっきり分からないんです。役者は「現場で学ぶ仕事」と言われますが、本当にその通りで、少しずつ積み重ねてきた感覚なんですよね。
1つの作品が終わっても、次の仕事をいただけるかは分からない世界。そのなかで「次はどれだけ成長した姿を見せられるだろう」と考えながら、一歩ずつ歩んできました。気づけば出演作が増えていて、挑戦できる役やオーディションの規模も、徐々に大きくなっていったように思います。
——その積み重ねの中でも、NHK連続テレビ小説『わろてんか』への出演は、特に印象深いのではないでしょうか。
葵:求められることがこれまでと変わったという意味では、確かにターニングポイントでした。それまでは「与えられた役を全力で演じる」という気持ちが一番でしたが、朝ドラでは自分自身にも注目していただく機会が増えて、「公の場に立つ」責任を強く意識するようになりましたね。
プレッシャーを越えるために、音楽の力を借りて自分を奮い立たせる

——2019年のミュージカル『ロミオ&ジュリエット』以降、数多くの舞台に出演されています。映像と舞台、それぞれのお芝居にどんな違いを感じていますか?
葵:演者とスタッフだけの空間で表現する映像作品と、お客さまの呼吸や反応を感じながら生で届ける舞台作品では、流れる空気そのものが違いますね。
時間の感覚も異なります。映像は台本をいただいてから撮影までのスピード感がとても早く、そのリズムに置いていかれないよう、常に集中していないといけません。日常に近い人物を演じることも多いので、細かなディテールをどれだけリアルに落とし込めるかも大切です。
一方で舞台は、約1カ月〜1カ月半の稽古期間に加え、本番も同じくらい続く長丁場。同じ作品と向き合い続ける分、映像とはまた違った集中力と根気が必要になります。
——舞台は「生もの」と言われますが、稽古や本番を重ねるなかで、役やセリフの捉え方が変化することもあるのでしょうか?
葵:ありますね。同じ演目を毎日演じているはずなのに、初日と千秋楽を比べると、いつの間にか役の解釈が深まっていたり、自分のなかで違う捉え方になっていたり……。そういう変化が自然と生まれるのが、舞台の面白いところだと思っています。
——これまでの作品のなかで、「苦労した」「大変だった」と感じたお仕事はありますか?
葵:『わろてんか』は、それまでとは求められることがまったく違って、初めてのことだらけでした。プレッシャーも大きく、総合的に一番大変だったと思います。

——壁にぶつかったり、うまくいかなかったりするときもあったと思います。どうやって気持ちを立て直してきましたか?
葵:壁の種類にもよりますが、「もう無理だ」と思ってしまうのは、結局は勝手に自分で限界を決めているだけなのかもしれないと思っていて。その限界を少しでも超えられるよう、まずはいま自分にできることを1つずつ積み重ねるようにしています。
あとは、ちゃんと息抜きをしますね。特別なことではなく、友だちと遊んだり、アニメを観たり、お風呂にゆっくり浸かったり。ごく普通の時間を過ごすことで、自然と気持ちがリセットされるんです。
——ご自身なりの切り替え方を持っているんですね。プレッシャーを感じたときは、どんなふうにそれを乗り越えますか?
葵:音楽の力を借りることが多いです。「自分を奮い立たせるスイッチ」みたいな感じですね。どうしても足がすくむ日は、サンボマスターさんの『できっこないを やらなくちゃ』を聴きながら、劇場やスタジオに向かいます。
「できないかも……」と思う瞬間はいまでもたくさんあります。でも、思い切って飛び込んでみると「案外、平気だったな」と思えることが多いんですよね。
いますぐ役に立たなくてもいいから、気づきをメモに残しておく

——子どもの頃から本が好きで、架空の物語に救われてきたそうですね。いまも読書は心の拠り所になっていますか?
葵:本はいまでも大好きです。作品に入っている期間は、向き合っている物語で頭がいっぱいになってしまって、なかなか読めないのですが、オフの期間は思いきり読書を楽しみます。
気に入った作家さんを見つけると、その方の作品を続けて読んで、読み終えたらまた次の出会いを探して……。気分転換に書店をふらっとのぞいたり、インターネットで書評を検索したりもします。でも、結局は似たテイストの本に戻っている気がします。
——さまざまなメディアで紹介されている愛読書のラインナップを見ると、魅力的な女性が登場する、女性作家の作品が多い印象です。
葵:特に意識して選んでいるわけではないのですが、女性作家さんが描く女性像って、繊細でリアルで、共感できる表現が多いんです。だから、自然と惹かれてしまうんだと思います。文体もやわらかくて、流れるように読めるので、気づくと女性作家さんの作品を手に取っていることが多いですね。選択に迷ったり行き詰まったりしたときこそ、本を開いてみることで、背中を押してくれる一文に出会える気がします。
——日記やエッセイなど、ご自身の手で何かを書くことはありますか?
葵:まとまった文章を書くことはあまりありませんが、「悩みや不安は紙に書き出すと整理できる」と聞いてから、それを続けています。
また、人と話して出てきた言葉やおすすめされたモノ、気になった言葉やモノは忘れないように、スマホのメモアプリに必ず残すようにしていますね。そのとき感じたことや、心が動いた理由も一緒に書き添えるようにしています。
——そのメモが、役づくりのヒントになることも?
葵:役づくりのためにメモしている部分もあるんですが、まだ直接的に結びついたことはないですね。でも、書いておけばいつか何かの助けになるかもしれないし、たとえ忘れてしまってもメモを見返せば思い出せます。「いますぐ役に立たなくてもいい」、そんな気持ちで書き留めています。
未来は今日の延長線。だからこそ、いまに向き合う

——デビュー16周年を迎えましたが、役者というお仕事はご自身に向いていると思いますか?
葵:向いている、なんて口が裂けても言えないです(笑)。子どもの頃からこの仕事をしてきて、ほかの経験をあまりしてこなかった分、「これしかできないのかもしれない」という思いがどこかにあって。「演じることが好きですし、続けるためには一生懸命やるしかない」という気持ちでずっと向き合っています。
——役者は人に評価される仕事であり、揺らぎや迷いが生じることもあると思います。どんな状況でも、自分の軸を保つコツはありますか?
葵:すごくシンプルですけど、毎日を誠実に、一生懸命に生きること。それが、いまの私の軸になっています。
私は本当に不器用で、「いい感じに力を抜く」とか「うまく手を抜く」みたいなことができなくて。20代前半の頃に「あ、私はこういうタイプなんだ」と悟った瞬間があったんです。それ以来「これって意味があるの?」みたいな考えを、いったん脇に置くようになりました。いい意味で肩の力が抜けて、「一生懸命やるしかないんだ」と覚悟が固まった気がします。
未来は、今日の積み重ねでしかつくられないですよね。1カ月後、数カ月後に自分がどうなりたいかを考えたら、結局は、明日の撮影や稽古に懸命に向き合うしかないんだと思います。

——未来を不安に思う前に、まずは目の前のことに向き合うのが大切ということですね。最後に、頑張っている就活生にエールをお願いします!
葵:自分で何かを選ぶって、本当に怖いし、不安ですよね。でも、その「考える時間」こそが、自分を大きく成長させてくれると思います。人生は、一度の選択で決まるものではないし、もし始めたことが合わなかったら、また違う道を選べばいい。無責任に聞こえるかもしれませんが、人はいつだって軌道修正できるし、舵を切り直せると私は考えています。

——子どもの頃からお芝居と向き合い続けてきた葵さん。迷う日も、思い通りにいかない日もあったけれど、そのたびに「いまの自分」と丁寧に向き合い、小さな努力を積み重ねてきました。そこにあったのは、派手なターニングポイントではなく、途切れず続く1本の線のような歩みです。
いまの自分にできることに向き合いながら、興味を持ったことに少しだけ踏み出してみる。その繰り返しが、やがて自分の進みたい方向を自然と形づくってくれるはずです。
葵わかなさん出演・日本初演の舞台『2時22分 ゴーストストーリー』

葵さんが出演する舞台『2時22分 ゴーストストーリー』が、2026年2月6日(金)から東京・シアタークリエで上演されます。緊張感をはらむ24時間をめぐる、伏線だらけのスリリングなホラーサスペンスをお楽しみに!
<STORY>
サムとジェニーの夫婦は、最近ロンドン郊外に古い家を購入し、リノベーションしながら住み始めたばかり。赤ん坊のフィービーとともに、幸せな毎日を送るはずだった。
ある晩、友人のローレンとそのボーイフレンドであるベンをディナーに招待したジェニーは、毎日夜中の2時22分に2階の子ども部屋のベビーベッドの周りを歩き回る音がすると打ち明ける。ジェニーはその音は幽霊だと信じているが、サムはそんなジェニーの考えを信じない。ジェニーはローレンたちに2時22分までこの家に留まり、何が起こるか一緒に見届けてほしいと頼む。
やがて4人が迎える2時22分──果たして彼らを待ち受けるものとは……?
・公式サイト https://www.tohostage.com/ghost-story/
葵:脚本の本編の前に書かれていた、ダニー・ロビンスさんのホラーに対する想いを読んで、とても興味深いと思いました。映画のように照明や音、カメラワークで恐怖をつくるのとは違い、舞台という開けた空間でどうホラーを成立させるのか。その挑戦に立ち会えることにワクワクしています。演出の森新太郎さんと再びご一緒できることも心強く、同時に背筋が伸びる思いです。ぜひ一緒に、ここでしか味わえないホラーを楽しみましょう。劇場でお待ちしています!
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(企画:株式会社十三夜 / 編集:株式会社エクスライト / 取材・執筆:東谷好依 / 写真撮影:ただ)
