多様な人材を人的資本と捉え、人材ソリューションで可能性を創造する「人的資本創造企業」の日研トータルソーシング株式会社(本社:東京都大田区)は、半導体製造工程(以下 製造工程)におけるウエハ(※)の搬送手順における研修体制、また実際の現場業務の効率化を図るため、当社独自の半導体搬送演習装置を開発、令和6年2月22日付で特許を取得したことをお知らせいたします。
本取組みの第1弾として、本装置を活用した研修を半導体産業が活況な熊本テクノセンターで展開しており、今後の研修ニーズに応じて、研修施設、また全国の半導体メーカー、装置メーカーなどに向けても拡大していきます。
※半導体素材を薄く切った円盤状の基板で、この上に微細な電気回路を形成して半導体デバイスとなります。
■人材育成・研修に特化した人材派遣会社として、工数のかかる半導体研修の効率化を図るべく、
独自の半導体搬送演習装置を開発
当社では、全国で保全エンジニアを育成する認定職業訓練校「テクノセンター」を運営しており、未経験から半導体、プラント(施設)、物流など様々な業界に特化した専門技術を習得するための人材育成拠点として稼働しています。
集積回路、太陽電池、LEDなどの材料である「ウエハ」の搬送は、製造工程において自動化されており、各工程で使用する装置や、チャンバ等にてウエハを載置する場所や形態が異なる為、半導体製造の本稼働の前に、製造工程設備毎にウエハ搬送の動作を事前に調整する「ティーチング作業」を行う必要があります。ティーチング作業は製造工程設備毎に異なるため、これまで研修で実施する際には複数台の機材が必要不可欠でした。
この度、当社が特許を取得した当該装置は、前述の課題に対して、効率化を図り、ティーチング作業訓練を1台で実施できるように開発したものです。
■製造現場において装置メーカーに依存しがちな「ティーチング作業」に特化した独自の研修を実現
現場のニーズに対応できる半導体人材の成長に貢献
当社は様々な製造工程へスタッフを配属するため、製造工程設備毎(メーカー・機種毎)にウエハの載置場所や装置操作が異なるティーチング作業の研修において、これまでは、配属する工程ごとに就業先と同等の研修装置を準備することが困難でした。そこで、複数工程のティーチング作業訓練を行う研修機材を導入できないかと考え、定期メンテナンス作業の研修に使用しているチャンバを製作する際に、余剰となったウエハ搬送ロボットを活かし、不足部品を自作することで、独自の半導体搬送演習装置の開発を実現いたしました。
実際の半導体製造現場では日常的にティーチング作業が行われていますが、難易度の高さや工数不足などから、半導体装置メーカーに依存することが多く、費用がかかる現状があります。当社では、この課題を解決するため、独自の半導体搬送演習装置を活用し、製造工程設備のほぼ全ての搬送パターンについてティーチングを行える環境を整えました。これにより、複雑なティーチング作業に対応できる半導体人材の育成、実際の現場における複数工程への参入も目指していきます。
当該装置を活用した研修は、現在、半導体産業が活況な熊本テクノセンターで展開しており、今後の研修ニーズにより、当社の研修施設、また全国の半導体メーカー、装置メーカーなどにも随時拡大予定です。
■日研トータルソーシングについて
「人的資本創造企業」として業種や職域の枠組みを超え、様々な領域で活躍する人材を「人的資本」と捉え、人材ソリューションを働く人・企業・社会の可能性を創造していきます。
本件に関するお問い合わせ先
日研トータルソーシング株式会社 広報室
mail:info@nikken-ts.jp