人生のターニングポイントは落ち込んだ時に訪れる? にゃんこスター・アンゴラ村長のキャリアストーリー

2025/03/13

「やりたい仕事が見つからない」「今の仕事に迷いがあるけど、新しいことに一歩踏み出す勇気がない」。そんな悩み多き求職者に向けて、自分らしい生き方のヒントをお届けするインタビュー企画。

初回に登場するのは、お笑いコンビ・にゃんこスターのアンゴラ村長さん。2017年にキングオブコントで準優勝し、芸人としてブレイクする一方、インターネットマーケティング会社で勤務する「兼業芸人」としても知られています。そうしたキャリアを選んだ理由や仕事を続けるコツ、人生や仕事で悩んだ際の対処法などについて伺いました。

「兼業するしかなかった」と会社員になり、入社半年でKOC準優勝

ーまずは、芸人を目指したきっかけを教えてください。

アンゴラ村長:実はあんまり「目指して」なった感じではないんです。大学でお笑いサークルに入っていた時、ワタナベエンターテインメント主催の大学生向けお笑い大会に出場したら、決勝まで進んでしまって。その流れで、ワタナベエンターテインメントの養成所に安く通えることになったんです。最初は「お得に学べてラッキー」くらいの気持ちでしたね。

でも会社を辞めて芸人を志す人や、車を売ってまで養成所に通う人たちと接するうちに「この人たちに負けたくない!」と思うようになったんです。そこで、自分は本気で芸人になりたいんだと気づきました。周りの環境によって自分の気持ちがクリアになっていく、そういうことってあるんだと思います。

ー芸人を仕事にすることに不安はありませんでしたか?

アンゴラ村長:もちろんありました。親に相談したら「新卒でも副業できる会社を探してみたら?」とアドバイスをくれたんです。当時、オアシズの大久保佳代子さんみたいにOLをしながら芸人を続けている方もいたので、「そのスタイルなら自分に合っているかも」と思いました。ただ、新卒で副業を認めてくれる会社は当時ほとんどなくて。いろいろ探した結果、インターネットマーケティングを手がける「株式会社これから」にたどり着きました。

ーということは、会社員と芸人を兼業することは最初から決めていたと。

アンゴラ村長:そうですね。大学3年生の時からプロの芸人として活動していたので、兼業するしかなかった、というのが正確かもしれません。

ー「株式会社これから」ではどんな仕事をしているんでしょうか?

アンゴラ村長:入社当初は営業アシスタントとして勤務し、その後、子ども向けプログラミング教室の講師や運営に携わりました。現在は広報として、主にTikTokで会社の情報や採用情報を発信しています。今は月に1、2回ほどの出社ですが、入社したての頃は週5日、毎日8時間働いていました。

ーということは、兼業でいちばん大変だったのは入社したての頃ですか。

アンゴラ村長:そうですね。今考えれば、かなりギリギリの状態で両立していたかもしれません。平日は毎日働いて、夜や土日はライブに出て、ごはんやお風呂の時間以外はネタを考えて……と、常に何かに追われている感じでした。新入社員だから覚えることも多く、広告系の資格の勉強もしていたので、いつも朝日が昇る時間まで起きていましたね。その時に猫は深夜に交尾をすることを知りました(笑)。

そんな生活を続けていたら、入社半年でキングオブコントで準優勝し、芸人の仕事が一気に忙しくなりました。私はフレックス社員として入社したので、それから約2年ほどは会社には行かず芸人に専念。会社が子ども向けプログラミング教室事業を立ち上げる際に声をかけてもらって、復帰しました。

どうしたら自己肯定感が上がるか知っていたから、「諦める」選択肢はなかった

ー「入社半年でキングオブコント準優勝」と聞くと、順調なキャリアに思えますが、ブレイクまでは大変なこともあったそうですね。突然コンビが解散し、事務所も解雇されたとか。

アンゴラ村長:そうなんです。当時の相方が別の人と組むことになってしまい、ピン芸人として活動しようとしたんですけど、どの事務所にも受からず、他の人とユニットを組んでもうまくいかず……。コンビで事務所に所属していたから副業できる会社に入ったのに、どうしようと。

そんな時、交際していた3助さん(スーパー3助)と、お試しでユニットを組み、「にゃんこスター」としてライブに出たら、まさかの大ウケ。そのままキングオブコントにもエントリーしたら決勝進出。「こんなことってある?」って感じでした。

私は何事も計画を立てて実行するタイプで、思いつくことは自分で全部やってみたんです。でも、人生には人からの提案でなんとなく始めたことが、思いがけずうまくいくこともあるんだと気づかされました。

ーピン芸人になった時、芸人の道を諦めることは考えなかったのでしょうか?

アンゴラ村長:それはなぜか、一度もなかったんです。自分の中で芸人になることは確定事項で、そのためにどうするかしか頭になかったですね。お客さんの前でネタをやることが楽しいし、落ち込んだ時も面白いネタを思いついたら、それだけで自分を肯定できるんです。「自分、いいこと思いつくじゃん! これはお客さんの前でやらないと!」って。誰しも自分の自己肯定感が上がるのはどんな瞬間なのかを見つけることができたら、夢を諦めることは少なくなるのかもしれないですね。

ーその一方、会社員として落ち込んだことや大変だったことはありますか?

アンゴラ村長:営業に向いていなかったことですね……。ホームページ制作の提案をしていたんですけど、「このフォントやデザインもったいないな」と思っても、それを上手にお客さんに伝えられなくて。その壁を乗り越える前にキングオブコントがあり、自然と営業の仕事は終わりました(笑)。

でも、芸人として知名度が上がれば、他の人にはできない形で会社に貢献できると思っています。広告を打つには費用がかかるけれど、私の知名度が上がれば会社の名前も広まる。それが理想の兼業の形だと考えています。やりたいことが会社の成長につながる仕組みを作ることで、副業も続けやすくなると思います。

落ち込んだ時がターニングポイント。そこで浮かび上がる純粋な感情を大切に

ー転職を考えていても、なかなか一歩を踏み出すことができない人もいると思います。最初の一歩を踏み出すためには何が必要だと思いますか?

アンゴラ村長:そういう時って、つい悩んだり落ち込んだりしがちですよね。でも、実はそんな時間こそ大事なんだと思います。私も机の下に潜って床だけ見ていた時期がありましたが、そのくらい落ち込むとだんだん「でも、やっぱりネタを書かなきゃ!」という気になってくるんですよね。深く落ち込んだ時こそ、自分の純粋な感情が浮かび上がってくるもの。本当にやりたいことに向き合うチャンスだと思います。

あと、何かに迷った際は「セルフおみくじ」もおすすめです。小学生の頃から続けているんですが、例えば習い事に行きたくない時に、「行く」「行かない」「やめる」「お菓子食べる」などと書いた紙を空き缶に入れて、振って出た結果に従うんです。仮に「やめる」が出た場合、本当にやめてもいいし、「やめるほどじゃないかも」と自分の本当の気持ちに気づくこともあるんです。

ーその頃からすでに小道具を使っていたんですね。ほかに何かを決断する上でのマイルールはありますか?

アンゴラ村長:「ずるくないか」「自分を含めた誰かが幸せになるか」「自分で責任を取れるか」の3つを基準にして決めています。特に大事なのは3つ目。実は、にゃんこスターがテレビに出始めた頃、ある人に「こういう出方をしたら?」と言われて実行した結果、失敗したことがあるんです。その時に気づいたのは、人に言われてやったことは反省できないということ。自分で責任を持って決断したことは、たとえ失敗しても学びになりますよね。今考えれば、ノーと言えなかった自分に責任があるんですけど。

ー今後、芸人として、会社員として目指したいことはありますか?

アンゴラ村長:芸人としては単独ライブをやりたいですね。全国どこで単独ライブをやっても、たくさんお客さんが集まってくれるようになりたいんです。「にゃんこスターはナマだよな!」と言われるようになれたらうれしいですね。

あとは文章の仕事を増やしたいですね。エッセイのお仕事をいただくことが少しずつ増えてきたんですが、いずれは小説にも挑戦してみたいと思っています。 会社員としては、芸人として活躍することで、会社の知名度アップに貢献できたらいいなと考えています。あと、芸人活動と会社の事業内容が上手にリンクすることができたらいいですね。今考えているのは、会社に通販サイトを作ってもらって、使わなくなった小道具を販売すること(笑)。

ー最後に、仕事で悩んだり落ち込んだりしている人、仕事探し中の人にエールをお願いします!

アンゴラ村長:今が人生のターニングポイントだと思います。今いる場所や状況によってはいろいろと制限があるかもしれません。でも、例えば一度海外に行っちゃおうとか、宇宙飛行士を目指しちゃおうとか、それくらい思い切って自分の本当にやりたいことに向き合うのにいい時期だと思うので、あまり悲観的にならず、明るい未来を目指して一歩踏み出してほしいです!

キングオブコント準優勝という、一見すると順調に見えるキャリアをお持ちのアンゴラ村長さん。その裏ではコンビ解散や事務所解雇など、多くの苦悩に直面していました。けれど自分の自己肯定感が上がるポイントを理解していたからこそ、前に進むことができていたのかもしれません。自分がどんなことをしている時に自己肯定感が高まるのか、あらためて振り返ってみることが大切ですね。

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(企画:株式会社十三夜 / 編集:株式会社エクスライト / 取材・執筆:山田宗太朗 / 写真撮影:ただ)