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業界トレンド

二次電池とは?種類ごとの特徴やメリット・デメリット、用途

二次電池とは?種類ごとの特徴やメリット・デメリット、用途
set02製造業トレンド集

二次電池とは、充電・放電を繰り返し行う充電式電池のことです。ノートパソコンやスマートフォンをはじめ、電気自動車、船舶、そして航空機など、幅広い分野において活用されています。

本記事では、二次電池の基本的な仕組みや種類を詳しく解説します。一次電池との違いや二次電池のメリット・デメリット、さらには二次電池の今後の可能性にも触れるため、二次電池の導入を検討している製造業の担当者様は、基礎知識や用途についての理解を深めてください。

この記事でわかること

  • 二次電池の基本的な仕組みと種類

    二次電池とは何か、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池などの主な種類や、一次電池との違い、充放電の仕組みを解説。

  • 二次電池のメリット・デメリット

    繰り返し使用でき環境負荷が低いといったメリットと、導入コストや経年劣化などのデメリットを詳しく説明。

  • 二次電池の活用と今後の展望

    再生可能エネルギーの普及に伴い、需要が拡大する二次電池の技術開発に関する課題や、二次電池の専門人材の重要性について解説。

目次

    二次電池とは?

    二次電池とは、充電して繰り返し使用できる化学電池のことです。「充電池」や「蓄電池」とも呼ばれ、ノートパソコンやスマートフォン、電気自動車などの幅広い機器に利用されています。また、産業用では、非常用電源や輸送車両などの動力源として重要な役割を果たしています。

    一方の一次電池とは、アルカリ乾電池をはじめとした使い切りの電池のことです。一次電池は二次電池に比べて安価で、日常生活のさまざまなシーンで活用されています。

    環境に配慮した社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの安定供給が求められるなか、二次電池の役割はますます重要になっています。ただし、今後のさらなる普及のためには、コスト削減や安全性向上といった課題を克服しなければなりません。

    二次電池の仕組み

    二次電池は、放電時に電子を受け取る側の電極である「正極(プラス極)」、放電時に電子を放出する側の電極である「負極(マイナス極)」、そして正極と負極の間をイオン(電子)が移動する際の通り道の役割を果たす「電解液」で構成されています。

    二次電池は、内部で「化学反応」を起こして充電と放電を行っています。具体的には、正極と負極でイオンのやり取りをすることで、電流が流れます。充電時と放電時では、電流や電子の流れる方向が変わるのが大きな特徴です。

    たとえば、 このように、可逆性の化学反応を起こして電流の向きを変えることで充電と放電を繰り返せるため、長期にわたって電池を使い続けられるのです。

    ナトリウムイオン電池を例とすると、正極にはナトリウム酸化物を使用し、負極にはハードカーボンと呼ばれる炭素材料を使用しています。

    ナトリウムイオン電池の充電時には、正極のナトリウムイオンが電解液を通って負極に移動し、放電する際は、負極に蓄えられていたナトリウムイオンが、正極に移動することで放電できます。

    二次電池のメリット・デメリット

    二次電池のメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。

    二次電池のメリット

    二次電池のメリットとして、次の3つが挙げられます。

    • 繰り返し使用できる
    • 環境負荷が低い
    • さまざまな用途に対応できる

    二次電池は何度も充放電を繰り返せるため、一次電池のようにその都度購入する手間を省けるとともに、長期的に見たトータルコストを抑えられます。

    また、二次電池は、使用回数が多ければ多いほど電池製造や廃棄に伴う環境負荷を軽減できるため、持続可能な社会の実現に貢献できるでしょう。

    さらに、二次電池は異なる容量や形状、特性を持つ種類が豊富に開発されています。家庭用から産業用までさまざまな用途に合わせた最適な二次電池を選択できるのも強みといえるでしょう。

    二次電池のデメリット 

    二次電池を活用する際に考えられるデメリットは、次のとおりです。

    • 導入コストがかかる
    • 取り扱いが難しい
    • 経年劣化が生じる

    二次電池は一次電池よりも高価であることから、購入や設置の際にかかる導入コストも高くなりがちです。

    さらに、二次電池は温度変化や強い衝撃に弱いため、使用環境や取り扱い方法にも注意しなければなりません。使用する二次電池の種類や使用状況によっては、過充電や過放電によって発熱したり、バッテリー本体が膨張したり、さらには高温状態で発火したりする恐れがあります。

    加えて、二次電池は、充電回数を重ねるごとに性能が低下する点も大きなデメリットです。二次電池種類によって使い方や充電可能回数、経年劣化による寿命が異なると理解したうえで使用しなければなりません。

    二次電池の種類と特徴

    二次電池の主な種類とそれぞれの特徴は、次のとおりです。

    種類

    特徴

    用途

    鉛蓄電池 

    ・コストが安価である

    ・安定した性能を保つ

    ・リサイクル可能

    ・自動車用バッテリー

    ・非常用電源装置

    ・電動フォークリフト

    ・小型飛行機

    ・小型の電源

    リチウムイオン電池 

    ・エネルギー密度が高い

    ・寿命が長い

    ・急速充電に対応している

    ・スマートフォン

    ・ノートパソコン

    ・電気自動車

    ・各種エネルギー設備

    ナトリウムイオン電池 

    ・コストが安価である

    ・材料資源が豊富

    ・使用温度範囲が広い

    ・急速充電に対応している

    ・再生可能エネルギーの蓄電

    ・余剰電力の蓄電

    ニッケルカドミウム電池

    ・消費電力が小さい

    ・カドミウムを使用する

    ・急速放電が可能

    ・低温環境での出力性能が高い

    ・コードレス電話

    ・シェーバー

    ・無線機

    ・医療機器

    ・自動火災報知設備

    ・非常警報装置

    ニッケル水素電池 

    ・エネルギー密度が高い

    ・急速充電に対応している

    ・自己放電率が低い

    ・環境への影響が少ない

    ・ハイブリッド車

    ・携帯電話

    ・リモコン

    ・おもちゃ

    ・懐中電灯

    ・時計

    NAS電池(ナトリウム硫黄電池)

    ・エネルギー密度が高い

    ・寿命が長い

    ・自己放電しにくい

    ・再生可能エネルギーの蓄電

    ・大規模施設

    全固体電池 

    ・安全性が高い

    ・自由に設計しやすい

    ・寿命が長い

    ・対応する温度域が広い

    ・電気自動車

    ・家電製品

    ・医療機器

    ・航空宇宙機器

    ・船舶

    それぞれの二次電池の特徴について詳しく解説します。

    鉛蓄電池  

    鉛蓄電池とは、1859年に開発された世界初の二次電池です。鉛蓄電池は安価で供給されており、ほとんどの部分を再利用できる点が大きなメリットです。さらに、長時間放電しても安定した性能を維持しやすく、使用可能な温度範囲も広いという特徴もあります。具体的には、自動車のバッテリーや非常用電源などに使用されています。

    しかし、大きく重たいため、用途が限定されてしまう点がデメリットです。また、鉛蓄電池には希硫酸と呼ばれる電解液が使われており、破損時に危険を伴います。使用頻度によっては、性能が低下する恐れもあるため注意が必要です。

    リチウムイオン電池 

    リチウムイオン電池は、鉛蓄電池やナトリウムイオン電池といったほかの二次電池と比較して、安全性や機能性に優れています。

    エネルギー密度が高く、コンパクトなのにパワフルであり、充電・放電の繰り返しに強いのが大きなメリットです。さらに、急速充電にも対応しており、充電時間の短縮にも貢献しています。継ぎ足し充電をしてもバッテリーの寿命に悪影響が出にくい点もポイントです。

    ただし、過充電や過放電を繰り返すことで発火する危険性が高まったり、経年劣化しやすかったり、さらには温度変化に弱かったりといったデメリットもあります。

     

    ナトリウムイオン電池

    ナトリウムイオン電池は、ナトリウムイオンの電子を移動させることで充電・放電するタイプの二次電池です。材料資源が豊富であることをはじめ、使用可能な温度範囲も広く、急速充電に対応しているなどのメリットがあります。

    ただし、ナトリウム金属は酸化すると水と激しく反応するため、発火するリスクの高いというデメリットがあります。また、エネルギー密度が低く重量が大きいため、使用用途が限定される点にも注意しなければなりません。

     

    ニッケルカドミウム蓄電池 

    ニッケルカドミウム蓄電池は優れた耐久性を誇る二次電池であり、別名「ニカド電池」とも呼ばれています。充電可能回数が多く、過放電や高温環境にも強いことから、幅広いシーンで活用できるのが特徴です。

    急速放電にも優れているため、大きな出力が必要なラジコンやハイブリッドカーのモーター駆動用の電池としても活用されています。リサイクル体制が整っているため、環境にも優しい二次電池です。

    ただし、ニッケルカドミウム蓄電池には「メモリー効果」が生じやすい点に注意が必要です。メモリー効果とは、電池容量が残っている状態で継ぎ足して充電すると、次の放電時に充電を開始した付近で電圧が下がる現象のことで、この現象が起こると機器が突然停止する恐れがあります。

    さらに、人体に有害なカドミウムを使用していること、自己放電率が高い点なども注意しましょう。

    ニッケル水素電池

    ニッケル水素電池は、エネルギー密度の高さと長寿命を誇る二次電池です。環境にもやさしいため、小型電気製品をはじめ、小型家電やおもちゃ、時計といったさまざまな電子機器に活用されています。

    ただし、ニッケルカドミウム電池と比較すると重量があるため、用途によってはサイズが大きくなりがちです。また、高温環境では性能が低下する恐れがあること、さらにニッケルカドミウム電池よりもコストがかかる点もデメリットといえるでしょう。

    NAS電池(ナトリウム硫黄電池)

    NAS電池(ナトリウム硫黄電池)とは、日本ガイシ株式会社によって開発された、日本発の二次電池です。

    エネルギー密度が高く、容量の割にコンパクトであるのが特徴です。また、電解質が固体であるため自己放電しにくく、寿命の長さも大きなメリットといえるでしょう。

    ただし、コストが高いため初期費用がかさむだけでなく、ナトリウムや硫黄といった危険物が用いられているため、運用面に気を配る必要があります。さらにはファンやフィルターなどの消耗品を交換するといった定期的なメンテナンスも必要です。

    全固体電池

    全固体電池とは、電流を発生させるための電解質を固体に置き換えた二次電池のことです。

    液体電解質を使用しないため、液漏れや発火・発熱リスクを大幅に軽減できます。また、高いエネルギー密度を誇るため、長駆動時間を実現できるでしょう。さらに、長寿命であることや高温でも安定的に稼働すること、そして環境にもやさしいなどのメリットもあります。

    一方で、全固体電池の製造には高い技術力が必要であり、電力材料のコストも高額であるため、製造コストがかかります。また、界面抵抗も大きいため、電池の出力を上げにくい点も大きなデメリットです。

    さまざまな課題がある全固体電池ですが、従来のリチウムイオン電池に代わる高性能な二次電池になると期待されています。

    二次電池の専門人材を登用してビジネスの幅を広げよう

    二次電池は再生可能エネルギーの普及とともに需要が増加し、今後さらなる市場拡大が見込まれています。しかし、二次電池の導入を行う製造業の現場では、設計から製造、品質管理まで多岐にわたる領域で、高度な技術と知識を持つ専門人材が必要です。

    二次電池に詳しい人材登用を検討している企業の担当者様は、ぜひ一度日研トータルソーシングにご相談ください。

    日研トータルソーシングでは、人材派遣を通じて、製造業における業務効率化をサポートいたします。製品開発や製造現場で活躍する人材育成をはじめ、製造現場の課題解決に向けた具体的な相談も随時受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

    この記事を書いた人

    Nikken→Tsunagu編集部

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