articlecontacticon-angle-downicon-angle-thickicon-angleicon-arrowicon-blankicon-bracketicon-bubbleicon-checkicon-conciergeicon-contacticon-documentsicon-facebookicon-hatebuicon-instagramicon-lineicon-linked_inicon-newicon-onlineicon-personicon-pinteresticon-plusicon-searchicon-serviceicon-tagicon-twittericon-webinaricon-youtubenewpickuprankingrelated-articlerelated-tagtagicon-movie
設備保全

工場の「見える化」は今後の成長の鍵!得られる効果や取り組み事例

工場の「見える化」は今後の成長の鍵!得られる効果や取り組み事例
set02製造業トレンド集

人手不足や少子高齢化などによって人手不足が深刻化する製造業が競争力を維持するためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が必要不可欠です。DXとは、AIやIoT、ビッグデータなどのデジタル技術を使って、会社の仕組みや業務を便利で効率的にすることを指します。

そんなDXを推進するうえで重要となるのが工場の「見える化」です。テクノロジーを駆使し、現場のデータを収集・可視化することで、品質向上や納期短縮、コスト削減が期待できます。

本記事では、工場の見える化の概要や見える化するメリット、さらに実際の取り組み事例を詳しく解説します。

この記事でわかること

  • 予知保全の概要と予防保全との違い

    予知保全の定義や特徴、機器の劣化状況に基づいて行う点などを説明し、定期的なメンテナンスを行う予防保全との違いを比較。

  • 予知保全のメリット・デメリット

    ダウンタイムの削減や品質安定化といったメリット、導入コストや専門知識の必要性などのデメリットについて解説。

  • 予知保全の導入から運用までの流れ

    データ収集、分析、保全計画の構築、従業員教育、継続的改善までのステップを具体的に紹介。

目次

    工場の「見える化」とは?

    工場の「見える化」とは、工場内の設備の稼働状況や作業者の動き、品質データ、作業工数など、生産現場や生産体制、工場運営に関する情報をデジタル化し、リアルタイムで可視化・共有することを意味します。

    具体的には、次のような情報を把握・共有します。

    ・設備の稼働状況

    ・設備の異常や故障

    ・設備や作業者の負荷状況

    ・作業時間やアイドルタイムなどの工数確認

    ・生産計画に対する作業の進捗状況

    ・製品の不良率や検査結果などのデータ

    ・製品や原材料などの在庫状況

    ・収益

    工場の見える化では、IoTセンサーやカメラ、スマートフォン、タブレットなどのデバイスを活用して工場内の情報を一元的に集め、データを整理・加工したうえで、現場の作業者が理解しやすいようにまとめていきます。工場において重要なあらゆる指標を視覚的にわかりやすくすることで工場全体の最適化を図っていくのが「見える化」なのです。

    短納期化や多品種少量生産などが主流となった現代社会において、製造業や工場を取り巻く環境は大きく変化し続けています。グローバル化やDXが進むなかで競争に打ち勝つためには、製造現場の業務効率化が急務だといえます。そこで注目されているのが工場の「見える化」です。生産現場のデータを収集・可視化し、それらのデータを基に改善を図ることで、品質向上や納期短縮、コスト削減の実現が期待されています。

    工場を「見える化」することによるメリット

    工場を「見える化」することで、次のようなメリットを得られます。

    • 課題や問題点を把握しやすくなる
    • 業務の属人化を防止できる
    • 設備を適切な状態に保全しやすくなる
    • 情報共有がスムーズになる
    • 適正な人事評価を行える

    それぞれの内容を詳しく解説していきましょう。

    課題や問題点を把握しやすくなる 

    「見える化」することで、工場全体の作業進捗を把握でき、効率的に作業できるようになります。製品の生産状況をはじめ、不良品の発生率や在庫状況などをリアルタイムで把握できれば、業務改善で重要な3M(ムダ・ムリ・ムラ)を発見しやすくなるでしょう。

    たとえば、ある製品の生産ラインで不良品が増加しているものの、どの工程で問題が発生しているのかわからないケースでは、生産ラインにセンサーを設置し、稼働率、停止時間、製造速度などの稼働状況をリアルタイムでモニタリングすることで問題発生箇所を特定することができます。また、データを可視化するダッシュボードを導入し、異常時にアラートで通知するように設定すれば、状況を即座に把握でき、必要な対策も見えてくるでしょう。

    このように、「工場見える化」によって発見される課題を一つひとつ解決していくことで、作業の効率化や生産性の向上を期待できます。

    業務の属人化を防止できる 

    製造業における課題の一つとして「属人化」が挙げられます。生産工程についてのマニュアルがなく、担当者の裁量的な判断によって作業が進められている現場では、業務が属人化しやすいです。特定の作業者しか実施できない作業や把握していない情報があると、その作業者の退職や転職によって知識やノウハウが引き継がれない恐れがあります。

    属人化防止の「見える化」の具体例としては、機械の動作や担当の作業者の手の動きをデータ化するといった方法があります。作業のやり方や情報などの主観的なノウハウを客観的なデータに置き換えられるため、業務を標準化しやすくなるのです。

    設備を適切な状態に保全しやすくなる 

    「見える化」することで、設備の状態や部品の使用状況、在庫状況などを正確に把握できるようになります。稼働状況をデータ化することで、故障や不備などの不具合に気づきやすくなり、不良品の生産を防げます。また、設備の交換や導入を待たなければならないことによる稼働率の低下、生産停止による損害を最小限に抑えられるでしょう。結果として、工場全体の生産性向上にもつながります。

    設備保全の適切な状態ついて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

    情報共有がスムーズになる 

    工場の「見える化」によって、情報をスピーディーに伝達できるようになれば社内全体で業務プロセスを正確に把握しやすくなります。

    たとえば、受注から納品までの過程において、他部署の状況がブラックボックス化している場合、各部門での進捗状況を把握できず、納期が遅れてしまうリスクが高まります。そこで、工程ごとの作業状況をリアルタイムでモニタリングするシステムを導入して「見える化」することで、どの工程がボトルネックとなっているかを把握でき、全体のリードタイムの短縮が期待できるでしょう。

    そのほかにも、客観的なデータを全体に共有することで、人為的な判断ミスや認識の違いを回避でき、発注と生産計画の精度向上や部門間の連携強化につながります。その結果在庫管理の改善や不良品率の低減など、作業効率性の向上にも貢献するでしょう。

    適正な人事評価を行える 

    工場の「見える化」を進めると、適正な人事評価を実現できる点も大きなメリットです。

    属人化が進んでいる現場では、業務内容に対する評価基準や評価方法が曖昧になっているケースも少なくありません。そこで、社内全体で業務プロセスや作業進捗を共有して「見える化」することで、業務定量的な評価基準を設定しやすくなります。

    また、業務内容の「見える化」によって全体の業務量を把握することで、それぞれの従業員に適切に業務を割り振れます。特定の従業員にばかり業務が偏る状況を防げれば、業務効率化にもつながるでしょう。

    このように、「見える化」を行うことで作業内容・工数・スキルを明確に把握できるようになるため、従業員にとっても納得度の高い、正当な人事評価を実現しやすくなるでしょう。

    工場の「見える化」に関する企業の取り組み事例

    ここでは、工場の「見える化」を実践する企業の取り組みや導入事例を紹介します。

    株式会社今野製作所 

    油圧爪つきジャッキを主力商品とする株式会社今野製作所では、事業スタイルをオーダーメイド型に移行したことに伴い、対応力不足・負荷集中・納期遅れなどの問題が生じていました。事業規模が小さいにもかかわらず、受注生産や見込生産などの複数の生産形態が混在したままであることや、業務プロセスが複雑化していることなどがこれらの問題の原因でした。

    そこで、業務プロセスを最適化するための分析ツールを開発・活用することで、プロセス整理を行い、業務の可視化を実現しました。

    この施策をきっかけに、設計業務と調達業務間のデータのやり取りが自動化され、事業の高付加価値化に向けて製品設計や生産設計に注力することが可能となりました。また、生産形態の特性に合わせて、既存事業の位置づけや未着手だったビジネスに取り組めるようになり、今後も人材投資および生産技術を強化していくとしています。

    富士電機  

    地熱発電設備、電気自動車向けパワー半導体、社会インフラ設備などを手がける総合電機メーカー、富士電機では、生産過程の省エネ化が大きな課題でした。

    そこで、富士電機では「見える化」「分かる化」「最適化」の3ステップでエネルギーマネジメントを推進することにしました。具体的には、センサーを活用してエネルギーをリアルタイムで測定、情報を収集し、解析ソフトウェアを駆使して蓄積されたデータを多角的に分析することで、エネルギーのムリ・ムダ・ムラの発見につなげたのです。

    さらに、AIを活用することで、エネルギーコストが最小になるような運転パターンの計画も立案できるようになりました。

    これらの結果、半導体チップを清算する山梨工場では、生産量の増加に反し、5年間でエネルギー使用量34%削減を達成し、省エネ大賞の経済産業大臣賞を受賞しました。

    沖電気工業株式会社 

    通信機器、ATMなどの情報機器を製造する電機メーカーである沖電気工業株式会社では、顧客の需要の変化や社会変化による需要減に対する危機感から、工場間の横串連携を検討し始めました。それまでは、各工場で異なる製品を生産していることに加え、図面の描き方や技術標準も異なっていたため、共通する部品があっても同じ仕様による生産ができない状態でした。

    この状態を解消するため、それぞれの工場の生産形態や製造に対する考え方、知見などを把握・整理し、それまで工場ごとに分かれていた各種設計情報の共通化を目指しました。

    この施策によって、生産高を維持しながら、コスト削減や工場間の人材・技術交流に成功しました。また、工場間の連携がとれるようになったことで、多品種少量生産のニーズの取り込みや人手不足に対応した工場間の負荷分散なども可能になりました。

    工場の「見える化」でDXを推進しましょう

    製造業の競争力を維持・強化するためには、業務の効率化や生産性の向上が急務です。これらの業務改善に向けた取り組みとして重要なのが、工場の「見える化」だといえます。

    工場の「見える化」を実現すれば、リアルタイムで工場の稼働状況を把握したり、トラブルを未然に回避したりすることができます。

    工場の「見える化」を検討している企業様や、DX推進に対する課題を抱える製造業の企業様は、日研トータルソーシングにお任せください。

    豊富な知識を持つ日研トータルソーシングでは、確かな研修力とサポート力を強みに、質の高い人材サービスを提供しています。製造業の業務効率化に向けた具体的な相談はもちろんのこと、製造現場のさまざまな課題や問題点についても随時相談を承っています。ぜひお気軽にお問い合せください。

    この記事を書いた人

    Nikken→Tsunagu編集部

    製造業・設備保全に関するお役立ち情報をお届け!
    業界の最新情報や製造に関わる人に役立つ情報を、人材派遣会社としての目線で発信しています。

    「人材の活用は未来をつくる」そんな思いから、お客様に寄り添った人材マッチングを実現するメディアです。

    お問い合わせ

    タグ一覧