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人事・労務ナレッジ - 人材マネジメント

リスキリングとリカレント教育の違い|製造業で実施するポイントとは

リスキリングとリカレント教育の違い|製造業で実施するポイントとは
wp15製造業における派遣会社を活用したリスキリングの仕組み作り

少子高齢化が年々進んでいる日本の企業では自社の労働力確保のためにさまざまな取り組みが必要になっています。具体的には、従業員の満足度を高めることで、人材流出の防止や労働力の確保につながると考えられます。

このような状況のなか、従業員の満足度を高める取り組みとして注目されているのが、成長を促す教育制度である「リスキリング」です。

本記事では、リスキリングの概要やリカレント教育との違いを詳しく解説します。リスキリングを導入するメリット・デメリット、そして製造業でリスキリングやリカレント教育を実施する際のポイントもわかりやすく紹介するため、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • リスキリングとリカレント教育の違い

    リスキリングとリカレント教育、それぞれの目的や実施方法の違いを解説。

  • リスキリングやリカレント教育のメリット・デメリット

    教育制度を導入することで得られる効果や、注意すべき課題について具体的に説明。

  • 製造業でリスキリングやリカレント教育を効果的に実施するポイント

    ニーズの高いスキルの選定から研修プログラムの整備、実践の場の提供まで、製造業で役立つ具体的な推進方法を紹介。

目次

    リスキリングとは?リカレント教育との違い

    社会人のスキルアップの一環として、「リスキリング」が注目されています。ここでは、リスキリングの概要を解説するとともに、よく比較される教育制度である「リカレント教育」との違いを詳しく解説します。

    リスキリングとは

    リスキリングとは、従業員が新しいスキルや知識を習得するのを促し、再教育をサポートすることを指します。

    経済産業省は、リスキリングを次のように定義しています。

    新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること

    引用:リスキリングとは ―DX時代の人材戦略と世界の潮流―|経済産業省

    リスキリングは、英語の「Reskilling」からきており、「スキルの再習得」という意味があります。つまり、「最新のスキルにアップデートすること」、そして「学び直すこと」を表しています。

    具体的には、現在の職業や職種とは異なる分野の知識やスキルを身につけ、対応できる業務の幅を広げることをいいます。リスキリングの最終的な目標は、企業の成長と発展に貢献することです。

    日本国内では、多くの業界・業種において人材不足が課題となっています。この背景から、リスキリングによって既存の従業員に新たなスキルを身につけさせ、幅広い業務に対応できる人材として育てようという傾向が強まっているのです。

    「DXの推進」や「AIの普及」など、私たちを取り巻く環境は日々変化し続けています。この変化に対応するために、製造業を含むすべての業界・企業が、競合他社との差別化を図り、競争力を高めなければならない必要に迫られているといえます。

    従業員が現代社会において必要とされるスキルや知識を身につけることで、環境変化に柔軟に対応できる企業へと成長できるでしょう。

    リスキリングとリカレント教育の違い 

    リスキリングとよく似た言葉に「リカレント教育」があります。どちらも従業員の成長を促す教育制度であるものの、導入の目的や取り組み方には、下表のように大きな違いがあります。

     

    リスキリング

    リカレント教育

    目的

    企業の競争力の維持や人材流出の防止など、企業利益につながる

    従業員のキャリアアップ・キャリア形成に役立つ

    学びの主体

    企業

    従業員

    実施主体

    企業

    従業員

    仕事から離れる必要性の有無

    なし

    あり(休職や離職など)

    目的となるスキル

    現在の仕事に必要とされるスキル

    従業員が学びたい・必要だと感じるスキル

    リスキリングは、競争力の維持や人材確保の手段として、企業が従業員に対して知識やスキルの学び直しの機会を提供する教育制度です。所属する企業の発展や成長につなげることが主な目的であるため、企業が主導し、従業員は日常業務と並行しながら学びます。

    一方のリカレント教育は、学校教育から離れてからも生涯にわたって学び続け、必要に応じて就労と学習を交互に繰り返すことを指す言葉です。リカレントは英語の「recurrent」からきており、「繰り返す」「循環する」という意味があります。

    リカレント教育の目的は、従業員自身の成長や自己実現につなげることです。一度仕事を離れてでも大学や専門学校などの教育機関で学び直し、時代や環境の変化に適応した知識や身につけたいスキルを習得します。また、従業員が主体となって自主的に行い、企業が従業員をフォローする形で実施されるのも大きな特徴です。

    リスキリングについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

    リスキリングやリカレント教育を実施するメリット・デメリット

    リスキリングやリカレント教育を実施するメリット・デメリットを詳しく解説します。

    メリット

    リスキリングやリカレント教育を実施するメリットは、次のとおりです。

    • 従業員のスキルやモチベーションが向上する
    • 企業の存続・成長につながる

    それぞれの内容について詳しく解説します。

    従業員のスキルやモチベーションが向上する

    リスキリングやリカレント教育を通して、従業員は新たな分野の知識やスキルを習得できます。学習した内容から新しい視点やアイデアが生まれ、製品開発や業務改善に大きく貢献してくれるでしょう。

    また、リスキリングやリカレント教育がもたらすメリットは、従業員のスキルアップだけではありません。新たな知識やスキルを習得することで自信につながれば、モチベーション向上を期待できます。組織の中で活躍できるキャリアの選択肢が増えることにもつながるため、仕事に対する意欲や自社に対する帰属意識も高まるでしょう。

    企業の存続・成長につながる 

    リスキリングやリカレント教育を推進することは、企業の競争力強化や、存続、成長にもつながります。

    従業員の学びを支援し、新しい知識やスキルを身につけさせることで、戦力となる人材を育成できるでしょう。その結果、生産性の向上やコスト削減、利益率の向上など、事業へのプラスの影響にもつながります。

    デメリット

    リスキリングやリカレント教育を実施するデメリットは、次のとおりです。

    • 人材が流出するリスクがある
    • 時間・手間・コストがかかる

    それぞれの内容について詳しく解説します。

    人材が流出するリスクがある 

    リスキリングやリカレント教育を通して技術やスキルを身につけた人材は、市場価値が高まります。そのため、習得した知識やスキルを活かせる職場や、より条件の良い企業への転職を検討するようになることも考えられます。

    そこで企業は、ただリスキリングやリカレント教育を実施するのではなく、給与や福利厚生などの待遇改善や職場環境の整備にも力を入れ、従業員をつなぎとめる必要があります。

    時間・手間・コストがかかる 

    リスキリングやリカレント教育は、時間や手間、コストがかかる点が大きなデメリットです。特に、大規模な教育プログラムを開発・実施する場合は、企業にとって大きな負担となるケースがあります。

    さらに、従業員が新たな知識やスキルを習得するためには、一定の時間が必要です。リスキリングを導入する場合は、従来の業務をこなしながら学習時間を確保しなければならないため、従業員にとって大きな負担となる恐れがあります。さらに、リカレント教育の場合は、休職や離職が生じる可能性があるため、ほかの従業員に業務負担のしわ寄せが行くことも考えられるでしょう。

    製造業でリスキリングやリカレント教育を行う際のポイント

    従業員が技術を磨いたりスキル習得をしたりすることは、本人だけでなく、製造業の企業にとっても重要です。従業員の教育体制を強化したい製造業の企業においては、リスキリングやリカレント教育の積極的な実施をおすすめします。リスキリングを通して、人材の定着や企業の成長につなげていきましょう。

    製造業においてリスキリングやリカレント教育を効果的に推進するポイントは、以下のとおりです。

    • ニーズの高いスキルや知識を精査する
    • 研修プログラムを整備する
    • 学んだ内容を実践する

    それぞれの内容を詳しく解説します。

    ニーズの高いスキルや知識を精査する  

    リスキリングやリカレント教育を実施する際は、企業や人材の成長に必要な知識やスキルを精査することが大切です。AIや製造業DXなどのような先端技術を学習したとしても、実際の現場で活かせないようであれば教育の効果は得られません。

    現場における悩みや課題などをヒアリングしたうえで、現状の業務を改善するために不足しているスキルは何かをよく精査することが重要です。

    従業員の学びに対するモチベーションを高めるためには、キャリア目標や興味を反映した一貫性がある知識やスキルが望ましいでしょう。

    研修プログラムを整備する

    リスキリングやリカレント教育を成功させるためには、従業員の自主性やモチベーションだけでなく、企業側の協力体制が必要不可欠です。従業員が着実にスキルアップするためにも、自社の業務内容に適した研修プログラムを整備していきましょう。

    プログラムの内容が業務内容とマッチしていないと、せっかく実施してもスキルアップにはつながらず、時間や手間、コストの無駄となってしまいます。必要なスキルや知識を明確にしたうえで、次の方法のうち、どのような手段で研修や教育を進めていくかを検討してください。

    • 研修
    • オンライン講座
    • 社会人大学
    • eラーニング

    従業員が効率的に学べるように、学習時間や学習場所、教材の確保など、環境整備も同時に進めていきましょう。

    学んだ内容を実践する

    リスキリングやリカレント教育で得た知識やスキルを実践できる場を設けることも重要なポイントです。座学や演習で学んだ内容を現場で実践して初めて、業務に役立つ実用的なスキルとして身につけられるためです。

    社内インターンシップや体験配属、見習いプログラムなどを通して、学んだスキルを活かせる部署で仕事をさせたり、今後想定している事業をトライアルで実践したりなど、学んだことを実務の場で試す機会を設けるように意識してください。

    リスキリングを通して従業員をスキルアップさせましょう

    リスキリングは、企業の競争力を高めるための成長戦略の一つとして欠かせません。従業員が新しい知識やスキルを習得することで、社内や部署内に新しいアイデアが生まれ、業務の効率化や従業員の満足度も高まるでしょう。

    そんなリスキリングを成功させるには、自社に必要な知識やスキルを明確にして、実情に合わせた研修プログラムを整備することが重要です。

    リスキリングの導入を検討しているものの、研修プログラムを整備するリソースやナレッジ、経験がない企業は少なくありません。リスキリングについて課題を抱える製造業の企業様は、日研トータルソーシングにお任せください。

    豊富な知識を持つ日研トータルソーシングでは、これまでに培った研修教育力とサポート力を強みに、質の高い人材サービスを提供しています。製造業の業務効率化に向けた具体的な相談はもちろんのこと、製造現場のさまざまな課題や問題点についても随時相談を承ります。ぜひお気軽にお問い合せください。

    この記事を書いた人

    Nikken→Tsunagu編集部

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