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職種別ノウハウ

工場で必要な安全対策とは?取り組みのポイントと具体的な事例

工場で必要な安全対策とは?取り組みのポイントと具体的な事例
wp05~業務効率化、離職率、人材不足、技術力不足、労働環境~ 5つの課題を解決する請負の活用方法

令和5年の製造業における死傷災害(死亡災害と休業4日以上の死傷災害を合計したもの)の発生件数は、27,194件でした。製造業は、ほかの業種と比べて労働災害の発生件数が多いのが現状です。事故防止のために作業環境の安全性に配慮することは、企業としての責務といえるでしょう。

とはいえ、工場の安全対策には、従業員の安全教育や物理的な対策、ルールを守らせる管理的対策など、さまざまな種類があります。そこで本記事では、労働災害の中でも注意すべき事故の種類から、具体的な安全施策、事例までを紹介します。

この記事でわかること

  • 製造業では挟まれ・巻き込まれや転倒事故などの労働災害が多く発生し、その原因の多くが機械の整備不良や操作ミス

  • 5SやKYT、AI活用などの安全対策によって、労働災害のリスクを減少させることが重要

  • 従業員の安全意識向上が事故防止に直結し、危険要因の報告や改善提案ができる環境整備が求められている

目次

    工場の安全対策を行う上で注意するべき事故の種類と原因

    企業の従業員が業務を原因として被った負傷を労働災害といいます。労働災害にはさまざまな種類の事故が含まれますが、その中でも製造業の事業者として特に注意したい事故とその原因について解説します。

    挟まれ・巻き込まれ事故

    挟まれ・巻き込まれ事故とは、機械が倒れたことで身体が挟まったり、回転部分に髪や衣類、指などが巻き込まれたりする事故を指します。厚生労働省が毎年公表している『労働災害統計』によれば、令和5年の製造業の労働災害では、この挟まれ・巻き込まれ事故の発生件数が最も多い結果となりました。

    この挟まれ・巻き込まれ事故は重傷を負うケースが多いため、特に注意が必要です。主な原因は、機械の整備不良や操作ミスなど、人的なものです。ボール盤の穴あけ加工の最中に手袋ごと巻き込まれてしまうといった事故が代表例でしょう。

    転倒事故

    転倒事故とは、作業中に誤って足を滑らせてバランスを崩し、転倒する事故を指します。運転中のフォークリフトが横転して下敷きになるといった事故も、転倒事故に含まれます。

    令和5年の場合、挟まれ・巻き込まれ事故に次いで件数が多いのが転倒事故でした。特に、食品工場のように常に床が濡れている現場や、油が飛び散っている工場では足が滑りやすくなります。

    切れ・こすれ事故

    切れ・こすれ事故は、回転中の研削砥石が従業員の身体に当たるといった重大事故だけでなく、段ボールを開梱する際に事務用カッターで手を切ってしまうという軽微な事故も含みます。

    機械を清掃する際は完全に停止してから行う必要がありますが、少しの気の緩みから、機械を停止せずに手を入れてしまうことなどが原因です。また、保護メガネといった個人用安全防具をしていないことも原因として挙げられるでしょう。

    墜落・転落事故

    墜落・転落事故とは、高所作業中に墜落したり、トラックの荷台や足場から転落したりといった事故を指します。荷崩れ防止措置や安全帯を装着していないことが原因で事故が発生するため、高所で作業する際にはしっかりと安全対策を施すことが重要です。

    また、工場の蛍光灯を交換するために脚立の天板に乗った際にバランスを崩すというケースもあります。墜落・転落事故は一歩間違うと死亡事故につながる恐れがあるため、十分な安全教育と対策が必要です。

    工場で発生しやすい事故に対する安全対策

    従業員の安全を確保するためには、事故を未然に防ぐための施策が重要です。しかし、製造現場には事故の要因がいくつも潜んでおり、そのすべてに対して未然に対処するのは簡単ではありません。そのため、小さな事故だとしても放置することなく、継続的に改善を行う仕組みも必要です。

    安全な環境をつくるための施策

    労働災害を防ぐためには、事故のもとになる危険因子を取り除き、作業環境を安全にするリスクアセスメントが重要です。事故が起こりにくい環境を整備する安全管理は、製造業においては、本質的対策や管理的対策に該当します。では具体的にどのような施策を行えばよいのでしょうか?

    <具体的な施策の例>

    ・5S
    5Sとは「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」の5つの頭文字を取ったもので、業務改善や職場の環境改善のための取り組みに用いられる手法です。5Sを徹底すると、工具や部品、資材が整然と並び、職場環境が整います。整った職場環境を維持することで、怪我などの事故の防止につながるのです。

    5Sとは?「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」の製造業における目的とメリット・デメリット

    ・KYT(危険予知訓練)
    KYTとは「危険(Kiken)予知(Yochi)トレーニング(Training)」を指します。KYTでは、作業員同士がグループになって日常の作業の中に潜む危険ポイントを見つけ出し、その危険ポイントを排除するための対策を話し合います。こうした取り組みによって作業現場の危険性を可視化することで、作業員自身が危険を予知できるようになります。

    KYT(危険予知訓練)とは?トレーニングの例題と解答・4ラウンド法での進め方

    近年ではAIを活用した対策も注目されています。たとえば、フォークリフトの運転中には死角が生じるため、AIが死角にいる人物を検知し、運転者にアラートで危険を知らせるといったシステムなどです。また、環境の整備だけでなく定期的な設備点検の実施も有効でしょう。従業員への安全や正しい操作方法についての教育といった施策も有効です。

    事故が起こりやすい状態を改善するための施策

    事故が起こりやすい状態を改善する仕組みづくりも大切です。日常の業務の中では、事故には至らずとも一瞬危ないと思う場面があるものです。そのような場面で、作業者が些細な危険要因も無視せず、報告や対策を提案できる状態にすることが企業として求められます。

    <具体的な施策の例>

    ・ヒヤリハットの改善

    思わずヒヤリとしたことやハッとした出来事をまとめて「ヒヤリハット」と呼びます。「とっさの対応で重大事故を免れた」「立ち入り禁止区域に誤って立ち入った」などの事象です。

    ヒヤリハットが発生した際は、事故につながらなかったことを安堵するだけで終わらせず、原因を分析して再発防止に努めることが重要になります。原因から防止策を検討し、再発防止のための情報共有や注意喚起を行うのです。

    ヒヤリハットとは?業種別事例と例文・報告書の書き方【工場・介護・保育】

    工場の安全対策の具体的な事例

    安全な環境をつくるための施策は比較的取り組みやすいため、実際の事例を参考に工場の安全対策を行うのも有効です。ここでは6つの事例を紹介します。

    事例① 姿見の設置

    安全活動の一環として、通路や入口の脇に姿見を設けている事例です。作業場に入る前に、規定された作業時の服装になっているかを確認できるようにするために設置されています。

    事例② 安全のための標語の掲示

    労働災害防止のために遵守すべき事項や注意点を標語としてまとめ、掲示している事例です。工場に入って最初に目に付く位置に掲示しています。また、従業員から安全標語を募集している企業もあります。

    事例③ 安全事項の唱和

    朝礼で、安全のための取り組みについて全員で唱和している事例もあります。唱和をリードする人を当番制にすることで、全員で安全の取り組みを行っているという意識を醸成しています。

    事例④ 危険箇所での注意喚起

    転倒事故が起きやすい場所で注意を促している事例です。段差などでつまずきやすい場所にトラ柄のテープを貼ることで注意喚起をしている事業者は少なくありません。数ミリの段差でも行うとよいでしょう。

    事例⑤ 資材へのチェーンの設置

    棒状の資材などを置く場合は、チェーンを設けると安心です。倒れたり転がったりして通路をふさいだり、通行人に当たったりといった事故を防ぐためです。製造業の安全管理では、こういった直接的な対策を工学的対策と呼びます。

    事例⑥ 機械カバーの取り付け

    紙送りロール機のローラー部分にカバーを取り付けるといった事例もあります。このような対策で不注意によってローラーに指が巻き込まれることを防げます。

    【参考】「製造業の現場における安全対策の好事例集」(滋賀労働局)
    https://jsite.mhlw.go.jp/shiga-roudoukyoku/content/contents/001373489.pdf

    工場の安全対策は従業員の安全意識か

    製造業の労働災害では、挟まれ・巻き込まれ、転倒、墜落・転落、切れ・こすれといった事故が多く発生しています。これらの事故に対しては、5Sの徹底など、「安全な環境をつくるための施策」が効果的です。

    物理的な対策だけでなく、事故を起こさないように従業員の安全意識を高めていくことが何より大切だといえるでしょう。

    日研トータルソーシングでは、登録人材に対して充実した研修を提供しています。報連相といった社会人としての基本的なマナーはもちろん、KYTやヒヤリハットを含めた安全教育にも力を入れています。安全意識の高い人材をお求めのご担当者様は一度ご相談ください。

    この記事を書いた人

    Nikken→Tsunagu編集部

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