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生産管理

オズボーンのチェックリスト|製造業の課題解決につながる発想法

オズボーンのチェックリスト|製造業の課題解決につながる発想法

オズボーンのチェックリストは、アイデア出しや課題解決を図る際に活用できるフレームワークです。アイデアがすでに出尽くしてしまったと悩んでいる場合も、オズボーンのチェックリストを有効活用すれば、思わぬイノベーションが生まれるかもしれません。

本記事では、オズボーンのチェックリストの使い方や、製造業における具体例などを解説します。創造的なアイデアが欲しい方は最後までご覧ください。

オズボーンのチェックリストとは? 

オズボーンのチェックリストとは、9つの視点から新たなアイデアを生み出す発想法です。各チェックリストは質問形式になっており、それらに沿って回答を考えることで、問題解決のヒントを得ることができます。

たとえば、すでにある商品や技術に対して、ほかの用途を考えたり改良したりできないかなど、既存の業務や環境を改善したい場合に用いられます。オズボーンのチェックリストは、まったく新しいものをつくることが主な目的ではありません。アイデアというとゼロから新しいものを生み出すように聞こえますが、実は「既存の要素を組み合わせる」ことが重要なのです。

*ブレインストーミングとの違い

アイデア出しでは、ブレインストーミングもよく使われています。ただし、ブレインストーミングとオズボーンのチェックリストとでは、役割が異なります。

ブレインストーミングは柔軟なアイデアを多く出したい場合に向いている思考法です。複数の参加者が自由に議論するため、非現実的で大胆なアイデアも出やすくなります。

一方のオズボーンのチェックリストは現実的なアイデアを瞬時に出したい場合に向いています。チェックリストに沿って考えるためアイデアを絞りこみやすいです。

オズボーンのチェックリストの9つの視点と製造業での活用法 

オズボーンのチェックリストには9つの視点が用意されています。ここでは、製造業でどのように活用できるか具体例を挙げながら紹介します。

転用

転用とは「ほかに使い道はないか?」「改良したら違う使い方ができないか?」などの視点です。製品や技術を、個別の名称ではなく、加熱や切断など機能や効果を表す言葉に置き換えることがコツです。言い換えた言葉をヒントに、別の使い道を列挙していきます。

(例)船舶のエンジン技術を自動車エンジン製造に転用する

           自動車のシートベルトをカバンに転用する

応用

応用とは、「似たようなものはないか?」「過去に事例はないか?」「真似できるものはないか?」という視点です。技術の本質的な部分に着目し、自社製品に活用できないかを考えてみることがポイントといえます。

(例)航空機の軽量化技術を自動車に応用する

変更

変更とは「ひねりを加えられないか?」「意味、色、動き、におい、味、形式、形状を変えたらどうか?」「そのほかに変えられるものは?」という視点です。既存製品のデザインや機能、素材といった要素の一部を変更することで改善できないか検討してみるのがポイントです。

(例)包装資材を環境に配慮した素材に変更する

拡大

拡大とは「時間、頻度、さらなる価値、成分を追加できないか?」「強く高く、大きく、長く厚く、重くできないか?」「複製、掛け合わせ、誇張したらどうか?」といった視点です。サイズや容量、性能などを拡大したり頻度を高めたりすることでメリットが生まれないか検証することがポイントです。

(例)機械設備の保全サイクルを短くし、点検・メンテナンスの頻度を高める

縮小

縮小とは「凝縮、小型化できないか?」「小さく、低く、短く、狭く、軽く、控えめに、頻度を少なくできないか?」「省略、合理化、分割できないか?」などの視点です。簡素化を目指すのがポイントです。

(例)半導体製造装置の小型化を進め、クリーンルームのスペース効率を大幅に改善した

代用

代用とは「ほかの物や人で代用できないか?」「ほかの材料や物質で代用できないか?」「違う工程や場所、時間、アプローチではどうか?」といった視点です。従来の素材や部品を代替できる新素材や新製品はないかを検討することがポイントです。

(例)ブレーキローターの素材の一部にアルミニウム合金を代用することで軽量化を実現

再配置(置換)

再配置とは「要素を入れ替えられないか?」「違うパターンや配置ではどうか?」「原因と結果を逆にできないか?」などの視点です。製品の構造や工程の順序・レイアウトを変更することでメリットが生まれないか検証することがポイントです。

(例)食品工場の製造ラインを全面的に見直し、作業動線を最適化した

逆転

逆転とは「反対、後ろ向き、上下逆さま、裏返しにできないか?」「役割を転換できないか?」などの視点です。思考のプロセスを逆転させることで、新たな気付きを得られないか検証することがポイントです。

(例)掃除機のノズルを上向きにできるように改良し、天井の掃除をしやすくする

結合

結合とは「混ぜたり組み合わせたり、一つにまとめたりできないか?」「統合、結合、合体できないか?」などの視点です。複数の製品や機能を組み合わせることで、新たな価値を提供できないか検討してみましょう。

(例)半導体製造装置と検査装置を一体化させ、スペース削減と製造の効率化を実現する

オズボーンのチェックリストの長所・短所 

オズボーンのチェックリストはアイデア出しに有効ではありますが、目的によってはほかの思考法を使い分ける必要があります。ここではオズボーンのチェックリストのメリット・デメリットを紹介します。

長所

オズボーンのチェックリストは、アイデアを効率的に出せる点が長所として挙げられます。すでに決められた項目に従ってアイデアを出すため、まっさらな状態からアイデアを創造するよりも時間をかけずに考案しやすくなります。

短所

課題と無関係な項目に時間をかけすぎると、かえって効率が下がる点には注意が必要です。9項目のすべてが課題に関係しているとは限らないためです。ただし、課題に直接関係がある項目だけに絞りすぎると視野が狭まる恐れもあります。SWOT分析やデザイン思考など、ほかの発想法や考え方も取り入れながら解決策を考えるのが望ましいでしょう。

オズボーンのチェックリストを改良したSCAMPER法 

SCAMPER法とは、オズボーンのチェックリストを改良したフレームワークです。以下の7つの視点で考えてみることで、網羅性を保ちつつ、効率よくアイデアを出すことができます。

  • 換える(Substitute)
  • 結びつける(Combine)
  • 適応させる(Adapt)
  • 修正する(Modify)
  • ほかの目的に使用する(Put to other uses)
  • 除く(Eliminate)
  • 並べ替える(Reverse, Rearrange)

オズボーンのチェックリストと同じく、既存のアイデアを見直し、拡張したり派生させたりする際に効果的です。オズボーンのチェックリストだけではアイデアが足りない場合に使用するとよいでしょう。

オズボーンのチェックリストを活用して課題解決を 

オズボーンのチェックリストは、9つの視点から考えることで新しい発想や課題解決のヒントを得ることができるフレームワークです。凡庸なアイデアしか出ないと悩んでいる場合に活用すると、意外性のある発想を生み出せるかもしれません。課題をよく観察して、9つのうちのどの視点と組み合わせれば解決の糸口になるかを考えてみてください。

この記事を書いた人

Nikken→Tsunagu編集部

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